喋りすぎる猫

【ミドル編】

【YouTube】怖い話好きな人〜「ゲーデルの不完全ラジオ」聴いてみて!【おすすめ怪談朗読】

平日はおうちでハンドメイド屋やってます。
作業中はYouTubeを垂れ流しているわけですが、色々なゆっくり解説と怪談朗読を好んで再生しています。
ゆっくり解説は闇系が面白いですね。
あらゆる業界の闇。
手を動かしながら、「ほんまかいな」と半笑いで聴いています。


怪談朗読の方は、この数年「ゲーデルの不完全ラジオ」というチャンネルがお気に入りです。

youtube.com


動画をアップロードされている男性のことを、うちでは「ゲーデル先生」とお呼びし、作業中に、眠れない夜の入眠用に、大変お世話になっています。
先ほどはバスルームにて。
Bluetoothスピーカーを持ち込み、ぬるい湯につかりながら小一時間ほど耳を傾けておりました。


わたしがゲーデル先生の動画に出会ったのは、今から3年ほど前。
当時は週5で電車通勤していて、その帰り道のことでした。
立ち仕事でくたくたに疲弊して、いつもは座れるはずの路線でずっと立ちっぱで。
音楽を聴くのもなんだか疲れてしまったわたしは、ごまだんごさんのイケボ怪談に癒されていたのであります。
ごまだんごさんの動画が終わり、何の前触れもなく唐突に始まったのがこれ。

【怪談朗読詰め合わせ69】コトリバコにまつわる12の話【怖い話・不思議な話】 - YouTube


「コトリバコ」にまつわるお話を、無感情ともとれるボクトツな口調で、淡々と読み上げるゲーデル先生。
抑揚が乏しく、やや早口。
まあまあ音質のいいイヤホンで聴くと、内容も相成ってこれが必要以上にコワイんですよ。
突如現れた正体不明の朗読者に、「何この人、やばい」という感想しか持てず。
何度も「ごまだんごチャンネル」に戻ろうとしたんですけど。
何故か戻れず。
結局、3時間23分30秒の朗読を、帰宅後も延々と聴き続けることになったのでした。


こうして、うっかり足を滑らせるようにしてハマってしまった「ゲーデルの不完全ラジオ」
たくさんの動画があるのですが、その中でわたしが最もゾッとしたものを挙げましょう。
「リアル恐怖新聞」という怪談です。


お話そのものは、実はそうでもない。
怖いというより、不快。
例えばごまだんごさんがこのお話を朗読したとして。
ごまだんごさんの癒しボイスと文章のアホさがまったく噛み合わず、この怪談の面白さは消えてしまうでしょう。


ある男の独白というスタイルをとっているのですが、始まり方がまず異様。
「私は46歳の鎌倉富士夫似の男性です」
誰なんだよ。鎌倉富士夫。


新聞配達の高校生が辿った末路が怖いわけではありません。
いえ、十分怖いのですが、それ以上に、鎌倉富士夫似の男性の感性が気持ち悪い。
サイコパスとかキ○ガイとかそういうんじゃなくて。
ただただ気持ち悪い。


この不快さを、ゲーデル先生の独特の語り口に乗せることで、聴く者をゾワゾワさせる傑作となるのです。(悪口じゃないよ!!!!)
わたしが聴きたいと望んでいる「怖い話」って、きっとこういうものだと思う。
ぜひ是非聴いてみて。これの7話目です。

怪談朗読アーカイブ「洒落怖選集 リアル恐怖新聞ほか全17話」怖い話・不思議な話 - YouTube


ゲーデル先生は、怪談朗読だけでなく、月に何回かライブ配信もされています。
このことに気づいてからは、こちらも楽しみになりました。
同時接続が(今のところ)そんなに多くないためか、チャットで挨拶をすると、ゲーデル先生が「○○さん、こんばんは」と声をかけて下さいます。
わたしはまだ書き込んだことはないですが、いつか呼ばれてみたいものです。


ライブ配信のタイミングは、なんとなく決まっているようで、不定期。
わたしは通知を受け取れるようにしているので、タイミングが合えばリアルタイムに参加することもありますが、後日アーカイブを再生する方が多いです。


ライブのテーマは当然オカルト系で、ゲーデル先生が読了された本の紹介や考察、怪談の朗読。
雑談もあります。
わたしが最初に聴いたアーカイブは、「つけびの村」(高橋ユキさん著)を軸にお話されていたものでした。
オカルト系に寄せながらも、そっちに偏ってしまうことなく。
絶妙な立ち位置から語っていらっしゃるところに、魅力を感じました。


そうなんです。
ゲーデル先生は、何でも心霊に結びつけてしまうガチガチのオカルト脳ではないのです。
かといって投稿された実話怪談や体験談を否定することもなく。
常に真摯に向き合っておられるように見えます。
ロシア人のおばあちゃまが云々のシリーズ(?)とか。
わたしだったらフル無視しているであろう案件にも、ゲーデル先生はとてもとても優しい。


しかしごめんね。
わたしが聴きたいのは、作者不明のネット怪談。
もしくは作家さんが創作した質のいい怪談。
一応正体のある人から、「実話です」だの「見えます」だの「幽体離脱とタイムスリップを体験しました」だの聞かされると、ちょっとその人の正気が心配になります。
パワーストーンブレスレットがはじけ飛んだ、なんてのもあったっけ。
これはチャットでの発言でしたね。
ただのかまってちゃんなら「痛い人」で済むんですけど。


実話系といわれる怪談は、作者不明だからいいんです。
嘘でも作り話でも何でもいいの。
掲示板に投下されたその時から、作者の手を離れ、何度もコピペされ、時にアレンジされて。
「これホントに嫌い」などと言われながら、インターネットにこびり付くようにして残っていく。
もはや言い伝えや民話の域に達しているものまでありますよね。


ゲーデル先生には、ネット怪談を現在の民俗学の資料として捉えている一面も伺えて。
そこも好き。
民俗学者・柳田国男についても時々触れられることがあり、ゲーデル先生自身も学者肌の方なのだろうと勝手に想像しております。
民間伝承や民間信仰に絡めた考察をして下さる時には、地味にワクワクしています。


「ゲーデルの不完全ラジオ」は、この世の怖いこと、不思議なことに、もうちょい踏み込んでみたい人におすすめのチャンネルです。
朗読が上手な人なら他にたくさんいますが、ゲーデル先生のオカルトに対する並々ならぬ探究心に、わたしは心惹かれます。
すべての心霊現象を嘘っぱちだと唾棄するわたしが、ゲーデル先生の考察は黙って傾聴してしまう。
真面目に取り組んでいる人の言葉には、力があるのです。(エガちゃん然り)


わたしも真面目にダラダラと書き綴ってみました。
ゲーデル先生のファンが増えたらいいな。

 

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