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【ミドル編】

【副業】メルカリで売れる!家庭用ミシンで作る簡単袋もの【ハンドメイドで稼ぐ】

もう10年以上、派遣で働いています。
派遣法が改正される以前、「3年ルール」というものがありました。
3年以上同じところで働けないというものです。
もちろんちゃんと抜け道があって、3ヶ月間のクーリングオフ期間を経過すれば、リセット完了。
また普通に元の職場に戻れたのです。
空白の3ヶ月間は、派遣会社からつなぎの仕事を紹介されることになっていました。


しかしチャレンジャーなわたしは、その3ヶ月間をハンドメイドの収入のみで乗り切ってみようと考えました。
当時、ミンネとクリーマにまだ勢いがあり、わたしも布物作家としてささやかなる副収入を得ていました。


仕事をしながらでしたので、空き時間を使って少しづつ作業をすすめ、出品頻度も多くはありませんでした。
ガンガン稼いでいる専業作家さんに憧れを抱くようになり、ちょっとやってみたいと思っていたのです。
「ちょっと」というのは、性格的に絶対続かないのが自分で分かっていたから。


3ヶ月後には職場復帰が確定していましたので、お試しでやってみるにはよい機会でした。
とりあえず15万くらいあれば、払うもん払ってどうにか暮らせそうだったので、売り上げ目標は15万円にしました。
利益ではなく、売り上げ。
毎月15万円が、3ヶ月間振り込まれることを目標にしました。


チャレンジ期間は1月から3月。
シーズン的にあるジャンルに狙いを定めていて、わたしは「イケる」と踏んでおりました。
結果、思っていたよりかなりキツかったものの、無事目標は達成出来ました。
毎月ギリギリでしたけど。
なんとかなりました。


期間限定の専業作家。
初めての在宅ワークでもありました。
おうちが職場というのは、気楽な分、気持ちの切り替えが難しい。
正直お休み気分が抜け切らなかった自分がいます。
値段設定も甘かった。
そんな反省点・改善点を踏まえながら、ミシンが得意な人が短期集中で稼ぐ方法をまとめてみました。




作業工程少なめの量産出来るジャンルにしぼる


クーリングオフ期間が1月から3月だったということもあり、わたしは入園・入学準備グッズに的を絞りました。
レッスンバッグやシューズバッグ、給食袋、体操着入れなど。
春に向けて、必ず需要のあるアイテムです。



こうした袋ものは保護者が手作りすることが多いのですが、ネットが普及した最近は外注も増えています。
園や学校ごとにサイズの指定があったりして、既製品では間に合わないことも多々あるのです。
ピッタリのものが売ってなければ、手作りするしかありませんし、保護者の手作りが義務付けられているところもあるそうですよ。
手作りを義務付けって。愛情論でしょうか?


何であれ、お仕事されている方やお裁縫が苦手な方にとっては、大きな負担ですよね。
取り組む時間が勿体ない。
お金を払って得意な人に頼んだ方が、早く楽になれそうです。
「でも、知り合いにお願いするのも気が引けるし…」となると?
ほら、ハンドメイド屋の出番でしょ。


扱うアイテムは、簡単な袋ものがほとんどです。
大人用のバッグと違い、複雑なパターン(型紙)も不要。
ミシンがちょっと使える人なら、ささっと作れてしまうでしょう。
直線縫いの連続なので、1人体制で量産が可能です。


何を売っていくかは決まりました。
では、それをどこで売るか。


サイズ等の調整で一部オーダー制になることを考慮すると、メッセージのやりとりがスムーズに行えることが必須となります。
お問い合わせフォームからのメールだと、ちょっと面倒。
アプリ上で完結出来るミンネ・クリーマ・メルカリ・ラクマがおすすめです。
個人的にはユーザーがずば抜けて多く、らくらくメルカリ便が利用出来るメルカリがイチオシ!


わたしはその頃、ミンネとクリーマに作家登録をしていました。
しかし急に方向転換して入園・入学グッズ専門店になるのもどうかと思いまして。
一旦退会していたメルカリで、新たにアカウントを作りました。


今ならメルカリショップを使うのもよさそうですが、現状はまだまだ不便。(2021/9/15現在)
せめてらくらくメルカリ便とカート機能、オプション機能、アプリ上でのメッセージ機能が使えるようになればいいのになー。

追記
らくらくメルカリ便が利用出来るようになりました!(10/7)

メルカリShopsに関する記事はこちら!
【メルカリShops】ショップでも「らくらくメルカリ便」が使えるようになったので、ハンドメイドピアスを販売してみた!【本格リリース】 - 喋りすぎる猫


布選びは実用性重視で



次に、材料の準備です。
布はシーズン前から徐々に揃えていきましょう。
人気が出そうな生地なら、思い切って1ロール買うくらいの勢いで。
わたしはストックがたくさんあるつもりでしたが、量産となると全然足りませんでした。


素材としては、綿麻・コットンリネン。オックス、キャンバスなどが丈夫で扱いやすいです。
タナローンやシーチングなど、薄くて繊細な布は入園・入学グッズの量産には不向き。
裁ちにくい上に、しっかり仕立てるために接着芯が必要になるため、余計な工程が増えますよ。


プリント柄は何でもよいですが、出来るだけ規則性を感じさせない、ランダムに見えるものがオススメ。
チェックやストライプ、ボーダーなど、布を縫い合わせた際の柄合わせに神経を使うものは、やはり時間がかかります。
リクエストがない限り、こちらからは提案しないのがいいかもですね。


柄がまばらで、空白が多いものも危険です。
上手く裁断しないと、柄が偏ってしまいますから。
無駄に生地をたくさん使うことになりがち。
効率よく量産するためには、どこでカットしても使えるプリント柄であることも、重要なチェックポイントです。


ハンドメイドの袋ものは、基本的に表布と内布を縫い合わせて形を作ります。
ですから、当然同じ量の内布も必要です。
わたしは主にナチュラル系、北欧系の生地を表布に使っていましたので、内布は一律生成りのコットンリネンを合わせていました。
または、薄手の帆布。
こちらも生成りを好んで使っていました。


子供用グッズの布なんて、よくわからん。という人は。
既に売れている作家さんの作品や、Googleの検索結果などを参考に、人気の傾向を掴みましょう。
「レッスンバッグ オシャレ」などのワードで画像検索してみて下さい。
デザインも凝っていて、大人が持ってもよさそうなものもたくさんあります。


子供が使うものと言っても、選ぶのは結局保護者。
大人目線も大事です。
大人が「うちの子に持たせたい」と思ってくれないと売れません。
インスタ映えを意識して、ビビットな配色にしてみるのも手です。
また兄弟、姉妹でお揃いにしたいという保護者も多いです。
カラーバリエーションのある布も用意しておくといいですね。


センスがよくて、仕立てがよくて、ファミリアなどのブランドものよりリーズナブル。
というのが保護者の理想です。
そこにうまーくハマるアイテムを作り出せる人が、このジャンルで稼げる人です。


さて、ここで注意喚起ですが、商用利用が認められていない布を使うのは絶対にやめましょう。
子供が大好きなキャラクターものも、商用利用NGのものが多いので慎重に。
ルールを守らないと、通報されちゃいますよ。
売り上げ金没収も有り得ます。
「皆やってるから」は言い訳になりませーん!

何をどこまでやるのか


一口に入園・入学準備グッズといっても、アイテムは多岐にわたります。
わたしは結構手広く注文を受けていて、サイズ指定にも個々に対応しました。
主なものを挙げると、次の7アイテム。

・レッスンバッグ
・シューズバッグ
・体操着入れ
・お着替えバッグ
・給食袋
・ランチマット
・お弁当袋

ついでにお作りしたものでは、ティッシュケース、ファスナーポーチ、母子手帳ケース、おむつポーチ、通帳ケース、布財布、バッグインバッグ(大人用)、ランチバッグ(大人用)などがありました。
わたしは何故か1度も作ったことがありませんが、ピアニカケースや移動ポケットも需要のあるアイテムですね。


色々リクエストされても割と柔軟にこなしましたので、チャレンジ期間中に何度かリピートして下さる方もいらして、順調に売り上げを伸ばすことが出来ました。
リピーター様、有難いです。


客層は、やはり若いママさんが多いです。
メッセージのやりとりがLINE感覚でテンポよく行えたり、雑談を交えながらフレンドリーな雰囲気でやりとりが出来ると、追加注文やリピートに繋がりますよ。
昼間は家事に育児にとても忙しくされていますので、深夜にやりとりが出来ると嬉しいママさんもいるでしょう。


オーダーを受けるようになると、経過報告や打ち合わせなど、製作以外のところでかなりの時間を奪われます。
わたしは15万円売り上げるために何でもやりましたが、本来は線引きが必要。


オーダー出来る範囲を決めておかないと、果てしなく要求されるので気をつけましょう。
お問い合わせに返信出来る時間帯も、前もって示しておくのがよいです。
使用する布、サイズ、デザインなど、こちらが提案する範囲内での注文のみ受けるようにすると、スムーズです。



しかしどんなにプロフィールや商品説明文に詳細に記しても、伝わらない人には伝わりません。
「サイズは○cm×○cmでお願いします」(完成品を購入後)
「別の布はありませんか?」(唐突に!)
「ついでに名前を書く布を縫い付けて下さい」(オーダー品が完成、購入後)
残念ながら、こういったお問い合わせが後を絶たないのです。
中には壊滅的に理解力(または読解力)のない人もいて、苦労しました。


「あー無理」と思った人は、完成品のみ販売するとよいですね。
レッスンバッグやシューズバッグなどの基本アイテムを、一般的なサイズに沿って作りましょう。
完成品は条件に合う人がサクッと買ってくれるので楽です。
わたしも当初は完成品のみの予定だったのですが、時間が有り余っていたこともあり、つい欲張ってしまいました。


完成品を販売する場合、シーズン前から製作にかかり、数を増やしておくと勝てます。
リアル店舗でも同じことですが、やっぱりたくさんのアイテムの中から選べるお店が人気。
アイテムが多いほど、そのお店に留まる時間は長くなりますよね。


1つのお店の中でいくつか候補が上がり、比較検討され、ベストなものが決まる。
この流れが理想です。
その場ですぐに決めないにしても、「このお店はまた後でゆっくり見に来よう」と思ってもらえることが、購入に繋がるのです。


価格設定で客層が決まる


ここにもっと気をつけていれば、わたしももう少し稼げていただろうと反省しています。


当時のわたしは市場調査というものを怠り、「安けりゃ売れるだろ」の精神でテキトーに値段を付けていました。
レッスンバッグなら、送料込みで1,000円~1,500円。
最初はストックの布を使っていたので、材料費という概念もありませんでした。
今なら信じられませんが。


自分で安売りしといてナンですが、「安ければ何でもいいです」と言われた時はとても傷つきました。
サイズのみ指定されたので、他にご要望はありませんかとお聞きしたところ。この返答。
これ、ハンドメイド作品を出品している人に対して吐くセリフじゃないですよね!?
安売りしてるとね、こういうのが集まって来るんですよ…


わたしのように後悔しないために。
まずは相場を知ること。
クリーマでレッスンバッグを人気順で検索してみますと、上位にあるものは3,000円前後(+送料)が平均値であることが分かります。
クリーマ高!と思いましたが、その分デザインも凝っていて見ているだけで楽しい。
フリル率、布切り替え率が高いですね。
ひとつひとつ丁寧に作られている感があります。
このレベルなら、3,000円でも4,000円でも出す甲斐ありそうです。


次にメルカリで見てみましょう。
こちらはぐんとお安くなりまして、1,500円前後のものが目立ちます。
メルカリは基本送料込みなので、実質1,200円くらいですかね。
特徴としては、あっさりした作りのものが多いです。
オカンの手作り感満載で、画像もシンプル。
クリーマとの棲み分けは一目瞭然です。


問題は、最近メルカリ化が進んでいるミンネ。
今ちょっと見た限りでは、多くのアイテムがメルカリに出品されているものと同レベルに思えます。
同レベルで、値段設定はメルカリより高め。
クリーマとは完全に差がついてしまいましたが、まだ「ハンドメイド専門」のプライドがあるのでしょうか。


メルカリの出品者がミンネまで出張っているのか、ミンネに見切りをつけたミンネ作家がメルカリに流れているのか。
メルカリのハンドメイドの質は、年々上がってきているように感じます。
逆にミンネは、落ちていっていませんか?
かつての華やかさ、ポップな賑やかさはどこへ?


値段を決める前に、自分の作品のクオリティを客観的に評価してみましょう。
どのサイトの、どの価格帯で勝負すれば、確実に勝てるのか。
そこを見極める。
そのためにも、それぞれのサイトを購入者目線で見てみるとよいですよ。


わたしが今このジャンルで取り組むなら、クリーマにありそうなアイテムを、クリーマよりも少し値段を下げてメルカリで販売します。
メルカリの相場では、お高めということになりますが。
他の出品者よりもオシャレで上質なものを提供し、低価格層のものと差別化を図ります。


え?
メルカリで高いものは売れない?
いえいえ。そんな時代はとっくに終わってますよ。
わたしはメルカリでハンドメイドピアスを販売していますが、2,000円でも3,000円でも普通に売れます。
値切られることもほとんどありません。
天然石のピアスが2,000円なら、むしろ安いと理解して下さるお客様層だからです。


ダウンロードユーザー8千万とも言われるメルカリ。
節約のためにお得な中古品を探している人もいれば、高品質のハンドメイド作品を探している人もいるのです。
客層は自分から狙っていきましょう。
量産型の安い既製品よりも高品質なものを、ブランドアイテムよりも安価に、適正価格で販売するのがよい客層を掴むコツです。



安さを求める層の中には、善良な方ももちろんいらっしゃいますが、ホンモノのケチも存在します。
こちらをうまーく言いくるめて、1円でも得をしようとしてくるのがオソロシイです。
後出しで色々追加してくるのも、この人達です。
一応お客様なので丁寧に対応いたしますが、内心は「最初から予算内で作ってくれるところに行けよ」と言いたい。


値段を上げていくと、客層は変わってきます。
「追加料金がかかってもよいので、仕様を少し変えて頂きたいのですが」
「お手間賃は、いくらになりますか?」
この正常な感覚!
手を加えたりサイズを変えたりすることは、無償ではないと分かってらっしゃる方々です。
ハンドメイドで商売するなら、この客層に身を置かないとつらいことばかりになりますよ。


最後に


様々な注意点やアドバイスを、失敗談を交えながら述べて参りました。
ここでは、具体的な数字を出しておきます。


例えばレッスンバッグを1,500円で販売した場合、単純に100個売らないと15万にはなりません。
大変な数です!
それが2,000円なら、75個。
3,000円なら、50個。


わたしの経験上、オーダー制にすると、レッスンバッグのみを購入される方はあまりいらっしゃいません。
他の袋もの(シューズバッグ・体操着入れ・給食袋など)とセットだったり、大人用の布小物とセットだったり。
複数注文して下さることが多くなります。
すると客単価が、5,000円とか6,000円とかになってきます。
平均5,000円のセットを、30件こなせば15万ということになりますね。


わたしは3ヶ月で、評価件数(販売件数)がおよそ200でした。
15万×3ヶ月=45万を、件数200で割ると2,250という数字が出ます。
メルカリでの販売手数料10%を乗せると、およそ2,500円。
平均2,500円(送料込み)のセットを、200件作って販売したことになります。
1ヶ月あたり66件!
頑張ったよ、わたし。


価格設定をもっと真面目に考えていれば、この半分ほどで済んだでしょうね。
簡単な袋ものとはいえ、1件1件お客様と個別でやりとりを重ね、打ち合わせをし、期限内にアイテムを揃えるのは結構大変でした。
発送作業もありますし。
それでも突然値上げするのも気が引けるもので、3ヶ月限定だと自分に言い聞かせてやり切りましたよ。


あまりのつらさに、最後の振込を確認後にメルカリをまた退会してしまった程です。
その後はお休みしていたミンネに出戻り、また少しずつ販売を再開いたしました。


そしてある日。
「仕事しながらだったら、アクセサリーの方が楽じゃない?」
という考えに至り…というのはまた別のお話。
興味がある方は、こちらをどうぞ(◍´ꇴ`◍)
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