喋りすぎる猫

【ミドル編】

お互いの生活環境の改善について考えた結果、賃貸マンションの一室を猫部屋に。

また雨。
朝のうちはまだ曇りだけど、そのうち降り出すらしい。
このぐずぐずした感じ、そろそろ雨季に突入ですねー。
クッションフロアの床が、やーな感じにペタつくと思ったのよ。
猫の抜け毛がべったりと肌に張り付く、苦手なシーズンです。



娘の千乃が独り立ちした後、うちは思い切って6畳間をひとつ、猫2匹(ミエルと太郎)に明け渡しました。
千乃が高校の3年間を過ごした部屋ですが、彼女の実家はここではなく元夫の家ですから。
まあいいでしょう。


残ったガラクタを処分し、キャットタワーとトイレを設置。
ペンダント式のレトロな蛍光灯も、太郎が飛びついてぶら下がっているのを見てしまったので、LEDのシーリングライトに替えました。
ベランダへの掃き出しは網戸にして風を通すことが出来るし、カーテンを束ねたままにしているので、猫達はいつでも外を眺めることが出来ます。


猫と人間の共有スペースは、キッチンまで。
わたし達の寝室兼リビングには侵入禁止としました。
甘えん坊の太郎は不満そうですが、人間嫌いのミエルは猫部屋でリラックスしています。

2匹とも保護猫で、太郎は生後推定2週間、ミエルは半年ほどでうちにきました。
ミエルはネットの保護猫掲示板を通じて、11匹目はもう飼えないという大所帯のお宅から引き取りました。
太郎はその半年後に、同居人のK介さんが拾ってきました。
ガリガリに痩せこけ、目は目脂だらけ。
目脂だけでなく、なんか赤茶色い液体も出てた。
もちろんノミだらけ。


狭い賃貸マンションで2匹目を飼うつもりはなく、太郎の建康状態がよくなったら里親探しをするつもりでいたわたし達。
動物病院へ連れて行き、病気がないか診てもらって、ノミを駆除する処置を受けました。
いっちょ前にカルテがあるんですよ。
まだうちの子じゃなかったけど、「◯◯ 太郎」とフルネームを記入されました。


経過は良好。
いつでも里子に出せる状態に回復しましたが、里親探しは行われませんでした。
情が移ったというより、本人の安全のため。
残念ながら、太郎はぜんぜん可愛くなかったのです。
甘えたで人懐っこい性質を持ちながら、人相(猫相?)が悪い。
ブサイクではなく、悪いのです。


子猫特有の、ふわふわであどけない様子は見られませんでした。
目付きが反抗的で、とてもカタギとは思えない。
わたしの大好きな「じゃりン子チエ」に出てきそうな、チンピラ風の面構え。

これは…。
虐待目的で持っていく心無い人がいるかもしれない。
本気で危惧したのでした。


日本は、野良猫には生きにくい国ですね。
岩合さんの「世界ネコ歩き」を見ていると、世界中の街角に、ちゃんと市民権を得ている猫達の姿があります。


誰にも飼われていないのに名前を持ち、施しではない食事を摂り、中には仕事に就いている猫さえいます。
看板猫、案内猫、受け付け猫、撫でられ屋、子守り、など。
留守番は専門外らしいです。
野生で生きるより人間との共存を選んだ猫の、正しい在り方だと思います。


猫達と一部住み分けることで、このジメジメ期の猫の毛問題はかなり軽くなりました。
バリカンで短く刈り上げてしまうのが最も有効な解決法なのですが、おとなしくそんなことをさせる猫ではないのです。
特にミエル!
わたしの左腕には、3年前にがぶりとやられた小さな歯型が4つ、まだ残ってますよ。
あの時は腕がパンパンに腫れ上がり、病院で破傷風予防の注射を打ってもらいました。


猫部屋に、最近白い木製シェルフを追加しました。
もっと外をよく見たいのか、太郎が蜘蛛のように網戸をよじ登る。
猫の目線では、ベランダが邪魔だったのでしょう。
網戸が何度も外れて、その都度元に戻すのが大変でした。
そこでこのシェルフを窓に寄せて置いてみたのです。
キッチンで使っていたもので、猫達も気に入ってよく昇っていましたから、馴染みのシェルフです。


猫なので特に喜んだ様子もありませんが、昼間は当たり前のようにその上で過ごしています。
まるで縁側でくつろいでいるようにも見えて、なかなかの風情。


険しかった太郎の面貌も、今ではすっかり変わりました。
ぽかんとした、カワウソみたいな顔になりました。
野良出身の癖に、2匹とも外に出るのがおそろしく、知らない人もおそろしく、ついでに掃除機もおそろしい。
ハーネスを装着してお散歩するのが夢だったんだけど。
無理っぽい笑


キャットタワーは、少々お値段は張りますが木製のものがおすすめ。
まずしっかりしてるし、汚れたら抜き取れるので清潔です。
ファー生地やモコモコ生地のように、毛まみれになることもありません。
猫はキレイ好きと言いますが、自分じゃ掃除しませんからね。

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