2025年新モデルとして、XR50シリーズがBRAVIAのラインナップに追加されました。
X90Lシリーズの後継機となりますが、普通の液晶テレビからミニLED液晶テレビに進化しています。
このXR50の登場により、ソニーのミニLED液晶テレビは三段構えとなりました。
フラッグシップモデルとして堂々君臨するXR90シリーズ
ソニーらしい高輝度・高コントラストをキープしながらお値段抑えめのXR70シリーズ
他メーカーの廉価モデルと対抗するべく生まれたXR50シリーズ
カタログでは、XR90は「フラッグシップモデル」XR70は「プレミアムモデル」XR50は「スタンダードモデル」とされています。
金、銀、銅を表しているのかな?
この記事では、プレミアムモデルであるXR70シリーズと、スタンダードモデルとして新登場したXR50シリーズの違いを(個人的な偏見も交えながら)分かりやすくご案内いたします。
画質
ソニーらしく、画質から入りましょう。
XR70とXR50では、まずピーク輝度が違います。
ミニLED液晶テレビの命、明るさですね。
XRコントラストブースターの値(あたい)が、XR70シリーズでは20となっていますが、XR50では10です。
XRコントラストブースターとは、際立たせて明るくしたいエリアに電力を集中させて、輝度を上げる仕組み。
ブースターの言葉通り、輝度を増幅させる効果があり、当然10よりも20の方が強いです。
ピーク輝度の差は、コントラストの差。
最も明るいエリアから暗部に至るまでの光の階調が、XR70の方がより豊かに表現出来ます。
XR50のXRコントラストブースター10って、実はX90Lシリーズと変わりなかったりします。
X90Lシリーズは、ミニLEDを搭載しない普通の液晶テレビ。
XR50に後継されてミニLED液晶に進化はしましたが、明るさは同じ。
ということです。
更に、XR90・70では当たり前だった量子ドットも、XR50では使われていません。
あれ?
これでいいんですか?
明るさも色の鮮やかさもX90Lと変わりなしって。
ミニLED搭載モデルになった意味!!
ミニLED電球は、普通のLED電球の100分の1の超ミニサイズの電球なんです。
超ミニサイズにすることで、明るいエリア、暗いエリアの描き分けが、普通の液晶テレビよりも細かく出来ます。
普通の液晶テレビよりも、ピンポイントで明るいエリアを強調出来ます。
また、普通の液晶テレビよりも、暗部への光の拡散を抑えることが出来ます。
ミニLEDを搭載してピーク輝度を上げることで、大画面にふさわしい、ダイナミックなコントラストが可能になるわけです。
わたしは、正直XR70シリーズでもかなり妥協したモデルだと思ってました。
XR90とXR70の比較記事でも、結構辛口なコメントをしています。
そのXR70が、今回のXR50の登場により、自動的に上位モデルに昇格してしまいました。
実際、売り場でもXR50がXR70の引き立て役となり、XR70が高級感を醸し出し始めています。
コントラストブースター20と10の差は、並べてみるとよく分かります。
比較画像①
比較画像②
比較画像③
XR50だって、ソニーの無敵のプロセッサー「XR」搭載モデルですので。
基本的にはやっぱり精細でキレイなんですけど。
ミニLEDのキラキラ感はないですね。
音質
XR70シリーズとXR50シリーズ、音はまったく同じです。
どちらも実用最大出力(JEITA)40w
フルレンジ(全音域) ×2
トゥイーター ×2
サブウーファーはなし
最新(2025年6月現在)のボイスズーム3を搭載。
音量を変えずに、人の声のみボリュームを上下することが可能です。
セリフが聞き取りにくいドラマや映画も、ボイスズームで快適視聴。
調節幅が+5~-5となっているので、大きくはもちろん、小さくすることだって出来ます。
解説の声などが邪魔な時は、声の音量のみを下げられたりします。
ボイスズーム+トゥイーターで、テレビのスピーカーとしてはかなり聞き取りやすいです。
トゥイーターとは、高音専用のスピーカーのこと。
XR70・XR50・X90Lともにフレームの両サイドに搭載されています。
よく見るとスリットがあって、そこから音域の高い音が出てますので。
確認してみてね。
残念ながらサブウーファーは非搭載。
低音は弱いです。
イコライザーで低音域をちょっといじれますが、それでズンズンドンドン鳴り出すわけではないです。
低音のBGMや効果音、球場などの臨場感を再現するの
は苦手。
低音が効いてるのと効いてないのとでは、同じシーンでも印象がまるで変わってしまいます。
XR70もXR50も、テレビ単体ではあくまでも聞き取りやすさ重視です。
聞き取りやすさなら誰にも負けませんが、それ以上をお求めの方は、サウンドバーを検討しましょう。
ソニーで揃えるなら、Aシリーズが操作性も○
HT-A3000/8000/9000
お手頃価格のHT-X8500はどうかって?
やめておけ!(音がかなりモヤります…)
XR50シリーズのデザイン
わたしはこれまでの記事で、BRAVIAのデザインついて何か言ったことはほとんどありません。
歴代の上位モデル、今だとXR搭載モデルは、基本的にスタイリッシュですからね。
でも今回は言わせてほしいの。
ダサい!
安っぽい!
さすがコスパに走ったモデルです。
フレームに高級感がない!
海外メーカーの安物みたいな作りになっちゃってます。
これならただの液晶テレビだったX90Lの方が、BRAVIAらしいですね。
それよりもわたしが絶対に許せないのは、脚。スタンド。
最近のBRAVIAは、一部機種(48A90K)を除いて、一見華奢に見える二本脚スタイルになっております。
これがなかなか工夫されていて、例えば主力モデルXR90・80・70シリーズだと、次の4way仕様
①ほぼ全開
②ほぼ全開+サウンドバースタイル(サウンドバーを設置した時に画面に障らないようにおよそ5cm高さを出せる)
③省スペースバージョン(幅の狭いテレビ台にも設置出来るように、スタンドの取り付け位置を内側に寄せることが出来る)
④省スペース+サウンドバースタイル
XR50シリーズはどうでしょう。
まさかの③④のみ。
2本のスタンドが、内側に寄った状態しか選べないというのです。
テレビ台にじゅうぶんスペースがあったとしても、です。
これはカッコ悪いでしょ。
実物を見てわたしは悲しくなりました。
材質がプラスチックでなかったことだけが救い。
触った感じ、何かしらの金属であることが確認出来ました。
ちなみに75インチのXR50の画面サイズは 幅167.1cm×高さ96.0cm
これに対してスタンドの幅は51.7cm
アンバランスで、なんだかヨチヨチ歩き出しそうな滑稽さがあります。
理屈としては、このスタンドだと、32インチを載せていた幅80cmのテレビ台でもOKということになりますね。
XR50シリーズの前モデルであるX90Lシリーズは、逆に①②のほぼ全開スタイルのみだったため、「今使っているテレビ台に載らない」という理由で選ばれなかったことが多々ありました。
この「テレビ台問題」に立ち向かった結果なのでしょうか?
4wayではダメだったの?
4wayにするとお金かかっちゃうの?
XR50って、サイズ展開が55インチ~98インチまであるんですけど、75インチまでがこの仕様。
さすがに98インチはスタンド間が広めに設定されていたので、ちょっと安心しました。(4wayではない)
この不格好なスタンドデザインをなんとかするには、もうサウンドバーを追加するしかないのです。
サウンドバーで隠してしまえ。
平べったいスタンドですが、サウンドバーを固定するために平べったいわけではありません。
スタンドを跨いで設置出来るよう、AVインシュレーターも購入しましょう。
安いものなら千円くらいで売ってます。
REGZA Z770Rシリーズとの比較
わたしは、このXR50シリーズ、REGZAのZ770Rシリーズに対抗するためにこの世に生み出されたと考えています。
どちらも、テレビ売り場にデビューした瞬間から、55インチで20万円を切るという安さ。
REGZAのZ770Rシリーズについて、少し触れておきますね。
スペック的には、XR50シリーズと大差ないです。
レグザエンジンZR搭載のミニLEDモデルですが、ピーク輝度も高くなく、量子ドットも使われていません。
位置づけとしては、2024年モデルのZ670N(普通の液晶)の進化系?
2025年のハイグレードモデル Z870/875Rの劣化版?
「スタンダードモデル」とされているところも、XR50と
よく似た境遇。
注意点としては、タイムシフト録画に非対応となっております。
Z770クラスだと、かつては対応していたのですが。
今回はなしです。
REGZAも削ぎ落としてきてますね。
ソニーのXR50シリーズと、REGZAのZ770R
この2機種は、必然的に比較検討される機会が多くなるでしょう。
ソニーと東芝(REGZAですよ!)の4KミニLED液晶というだけで、余計なバイアスがかかってしまうことはきっと想定済み。
なんとなーく、良さげな雰囲気なんですよね。
わかります。
でもちゃんと見て。
そうでもないから。
画質
画質は、やはり精細感とコントラストの繊細さ、色彩輝度の高さ、被写体のくっきり感等、ソニーの「XR」が優れてますね。
普通の液晶テレビだったX90Lシリーズの時から、REGZAのミニLEDモデル(Z870Nシリーズ)と互角で戦えそうなソニーらしい高画質でしたから。
そこは間違いないでしょう。
比較画像④
比較画像⑤
比較画像④はグリーンが対照的。
Z770Rのグリーンが鮮やかでキレイに見えるなら、REGZAの画質がお好みということで。
いいと思います。
いいと思いますが、XR50の自然でリアルな描写に今一度目を向けてほしい。
グリーンの色域の広さ、階調の細やかさに気づいてほしい。
比較画像⑤は、猫の存在感。
XR50は、見事ですね。
まさにソニーの認知特性プロセッサー「XR」がいい仕事してますね。
背景と、メインの被写体である猫を、しっかり描き分けています。
人間の目が、猫に焦点をしぼって見ている状態を、テレビ画面上に再現しているのです。
XR50をべた褒めしているように見えますけど、あくまでもZ770Rと比較して。です。
スタンダードモデル同士、言い方は悪いけど底辺の戦いであることをお忘れなく。
わたしが愛したX90Lシリーズ。ミニLEDに固執せず、このままでよかったのに…と悔やまれます。
音質
シンプルなXR50に対して、Z770Rはなかなか立派なスピーカーシステムを搭載しています。
その名も、「重低音立体音響システムZ」
「低音バズーカ」を含む合計7個のスピーカーが、実用最大出力(JEITA)60wのパワフルサウンドを再現。
と書いてある。
確かに、サブウーファーなしのXR50に比べると、はるかに重厚な音がします。
ただ、これが「立体音響」かと言われますと。疑問。
立体音響の定義とされる「3次元的な音の方向や距離、広がりなどを再生」には、至っていないかな。
音の中心に自分がいるような感覚も、Z770Rでは得られないです。
まあまあいい音がテレビから鳴っているのを、こちら側で聴いている。
というのがしっくりきます。
では、XR50とZ770R どちらが高音質か。
答えは「どちらも、ものすごくいいわけではない」です。
はい。ごめんなさーい。
人の声や高音がダイレクトに耳に届く、めっちゃ聞き取りやすいXR70
ただし、低音が弱く、イコライザーをいじっても音量を上げても、ひたすら軽い。
7個のスピーカーで、低音の効いた厚みのある音響を楽しめるZ770R
ただし、立体感に欠け、個々の音源が不明瞭。
んー。悩ましい。
テレビドラマやバラエティなんかは、XR70が分かりやすくていいでしょうね。
映画やスポーツ観戦は、Z770Rにゼロ距離でかぶりつくと「重低音立体音響システムZ」を堪能出来そうです。
比較まとめ
結局どちらも、メーカーのミニLED台数シェア獲得のために生まれた廉価モデル。
「ミニLED=絶対的高画質」の単純思考は危険ですよ。
わたしはこの記事で、決してXR50もZ770Rもおすすめしておりません。
ソニーならXR70シリーズ以上、REGZAならZ875R以上を狙ってほしい!
XRJ-55/65/75/98XR50 基本仕様
【サイズ】
55XR50
幅 1228mm
高さ 739mm
奥行 210 mm
重量 18.8kg
65XR50
幅 1447mm
高さ 862mm
奥行 345 mm
重量 26.3kg
75XR50
幅 1671mm
高さ 990mm
奥行 405mm
重量 38.6kg
98XR50
幅 2199mm
高さ 1325mm
奥行 488 mm
重量 71.4kg
【バックライト】
Mini LEDバックライト
【倍速機能】
倍速駆動パネル
XR モーション クラリティー
【チューナー】
BS 4K/110度CS 4K × 3
地上デジタル × 3
BSデジタル/110度CSデジタル × 3
【スマホ連携】
AirPlay 2
Chromecast built-in
ブラビアみまもり
※LINEアプリを使用
【スマートスピーカー連携】
Google アシスタント
Amazon Alexa
【接続端子】
HDMI端子 × 4
*ARC対応
*HDMI2.1規格対応機能
eARC対応・VRR・ALLM・4K/120fps
USB端子 × 2
光デジタル音声出力端子 × 1
S-センタースピーカー入力端子 ×1
LAN端子 × 1
ヘッドホン出力端子 有り
【スピーカー】
フルレンジ × 2
トゥイーター × 2
実用最大出力(JEITA): 30w(10 + 10 + 5 + 5)
ボイスズーム3搭載
アコースティックセンターシンク対応
【購入特典】
SONY PICTURES CORE
2年間見放題/10作品引き換え
※Google TV機能を使用