喋りすぎる猫

【ミドル編】

【有機ELテレビ】A95K・A80K・LZ2000の3択ならどれ買う?ソニーとパナソニックで迷ったら読む記事【2022年モデル】

2023年もそろそろ5月。
いよいよ、アレですね。買い時ですね。テレビ!
2022年モデルが、大変お求めやすいお値段で店頭に並び始めましたよ。


こちらでは、ソニーのA95Kシリーズ・A80Kシリーズと、パナソニックのLZ2000シリーズをご紹介しております。
特にA95KとLZ2000は、高価格帯有機ELモデルとして人気の機種。
画質・音質においては、両者どちらも譲らず。ていう状態ですね。


先に申し上げておきますが、この記事は完全にソニー寄りです。
何故なら、書いてるわたしがソニー大好きだから。
比較検証するにあたって、わたしの目と耳が感じたままを述べて参りますが、好みも大きく影響しているでしょう。
ですからこの記事は、「ソニーに決めたいたいけど、もう一押し欲しい!」という人に最もおすすめです。


ソニーorパナソニックでまだ悩んでるあなたへ。
この記事が、決断のお手伝いになれば幸いです。
高いお買い物ですもの。
よーくよーくご検討下さいませ。

 

ラインナップ
ソニー  KJ-55/65A95K・KJ-55/65/77A80K
パナソニック  TH-55/65/77LZ2000

 

A95KとLZ2000は、そもそも同格ではない

ソニーのA95Kシリーズと、パナソニックのLZ2000シリーズ。
同格のモデルとして比較されることが多いです。
まあ、そう思っちゃいますよね。
どちらも最上位モデル、フラッグシップモデルであることは間違いないですから。
ただ、A95KとLZ2000では技術の差があり過ぎる。


今回ソニーは、A95Kにおいて非常に分かりやすく新技術を搭載しております。
新技術がエラいのか?と言われますと、エラいわけではないのですが。
波長変換の効率が良かったり、そのために色彩輝度が向上したり。
この辺りは後で詳しくご説明いたしますが、結果として、画質に更に大きな差が生じたことは間違いないのです。


2023年4月現在。
量販店のテレビコーナーには、ソニーの有機ELテレビが3機種並んでいます。
2022年モデルであるA95KシリーズとA80Kシリーズ。
そして、絶賛継続中の2021年モデル 55A80J
55A80Jは、コスパ最強モデルとして爆売れ中です。


A80Kシリーズが、A80Jシリーズの後継機だと思っていませんか?
型番ほぼ同じですものね。
分かります。
でもね、ホントは違うの。
A80Kシリーズは、2021年の最上位モデル A90Jシリーズの画質を受け継いでいるのです。


A95Kシリーズの登場により、あっさり2番手に降ろされてしまったかつてのエース。
それがA80K
2番手のくせにファーストプライスがなかなか強気だったのには、そういう事情もあったのです。


2番手でありながら他メーカーの最上位モデルと肩を並べるA80Kシリーズと、新星A95Kシリーズ。
そう、2022年のソニーの有機ELテレビは、Wエース体制だったのです。
だから値段も高いんですね。
もうとっくに型落ちであるはずの55A80Jが、低価格帯モデルとして残っているのも「なるほど」です。

 

 

明るいテレビが好き?

A95K・A80K・LZ2000それぞれの画質について触れていきましょう。
サイズ展開の都合もあり、比較検証は次の2パターンになります。

ソニー A95K VS パナソニック LZ2000
ソニー A80K VS パナソニック LZ2000


高画質を求めると、まず気になるのは輝度。
輝度とは、明るさのことです。
テレビがたくさん並んでいても、つい明るい画面に目がいっちゃいますよね。
明るくて、更に発色の濃いテレビに魅力を感じる人は多いでしょう。


有機ELテレビの場合、液晶テレビに比べてどうしても暗い印象になりがち。
明るさだけなら、最近話題のミニLED搭載の液晶モデルには到底敵いません。


有機ELテレビの強みは、リアルなコントラストです。
画素単位で発光を制御するので、エリアを絞り込んだ自然な明暗を表現することが出来ます。
これは液晶テレビがどんなに頑張っても勝てません。
液晶テレビの明るさというのは、絞り込めない光の拡散でもあるのです。


しかし。
液晶テレビは明るい。
有機ELテレビは暗い。
そういう単純な先入観を持ってテレビ選びをしてしまうと、選択肢が減ってしまいますよ。
有機ELテレビだって、モデルによってはちゃんと明るいのです。


ソニーの有機ELテレビといえば、初代A1シリーズから、ピーク輝度の高さと発色の鮮やかさにおいて定評があります。
2022年モデルのA95Kシリーズでは、量子ドットの技術を搭載することで、色彩輝度を従来比200パーセントまでアップさせました。


またパナソニックのLZ2000シリーズも、独自の高輝度技術により、前モデル(JZ2000)と比較して飛躍的に明るくなりました。
苦手だった暗部も、(パナソニックの)液晶テレビに近いくらいには描き出せるようになっています。


ソニーとパナソニック。
どちらの有機ELテレビも進化してますね。
では、より明るい有機ELテレビは、どちらのメーカーのものでしょうか。


答えは出せません!
ソニーとパナソニックでは、実は明るさの種類が違うのです。

 

輝度と色彩輝度

ソニーのA80K・A95Kシリーズと、パナソニックのLZ2000シリーズ。
いずれも高画質、高音質を謳い、売り場でもひときわ目立つ存在となっています。
メーカーが用意する販促物にも、気合いが入っていますからね。


有機ELテレビをご検討中のお客様が、よくおっしゃるセリフに、

「メーカーが違うだけでどれも似たり寄ったり」

「どうせどれもLGのパネル使ってるんだから同じ」

というのがあります。
正直イラッとします。
同じなわけないだろ!


こちらでは、その違いを結構ネチネチとやっていきますよ。
まずはコチラの比較画像をご覧下さいませ。


比較画像①

 

比較画像②

比較画像③


LZ2000が明るく見えるシーンを選んでみました。
何故、明るく見えるのでしょうか?
白いエリアが超白いからです。
比較画像①では、室外機やブロック塀の白さがまず目立ちます。
よく見ると、その他の小さなエリアでもとにかく白さが際立ちます。


画像②も同様、雪が輝くように白いです。
A95Kの雪は、輝いてはいませんが、ボコボコした形状がよく分かります。
溶けずに残った雪特有の、シャーベットみたいな質感もちゃんと伝わってきますね。


比較画像③に至っては、建物の壁も小路もすべて白いです。
そのせいで、LZ2000はかなり明度が高い印象を受けます。
実際のテレビ画面だと、発光しておりますので、尚更明るく感じます。
パナソニックの輝度の高さとは、この白いエリアの発光によるところが大きいのです。


では、今度はA80K・A95Kが明るく見えるシーンを見ていきましょう。
比較画像④

比較画像⑤

比較画像⑥

比較画像⑦


比較画像④は、フランスのシャトーヌフ城。
古い古い建物です。
よって、白くありません。
輝度を上げるポイントがないためか、LZ2000ではなんとも地味な仕上がりになっております。
背景と同化してしまいそうなLZ2000に対して、A95Kでは、明確にお城の姿を確認することが出来ます。
よく見えるので、距離も近く感じますね。


比較画像⑤では、正面の素敵な階段に注目。
A80Kではナチュラルに明るいですね。
光を感じます。
両サイドの壁は白いので、LZ2000でもちゃんと明るく表現されています。


比較画像⑥⑦は、浜辺の猫さん。
夕暮れですね。
A80Kでは、砂の質感と猫さんの存在感をしっかりと表しています。
夕日を映す海と同じくらい、砂浜も見通しがよいです。
LZ2000では、メインは海であり、猫さんと砂浜はほぼ暗部。
これも、光を反射している海は白いけど、日が落ち始めて陰ってしまった砂浜は白くないから。でしょう。

つまり、こういうことです。

・LZ2000は、白~白っぽいエリアの輝度を上げて、明るさを表現。

・A95K・A80Kは、明るいエリアが白くなくても、色そのものを明るくして光を表現することが出来る。
→色彩輝度が高い!


有機ELテレビとひとくちに言っても、明るさの表現はメーカーによって異なります。
色彩輝度の高さで光を表現するソニーのA80K・A95Kと、白いエリアの輝度を上げて明るく発光させるパナソニックのLZ2000


好みの問題ではありますが、わたし達が肉眼で見ているリアル世界により近いのは、A80K・A95Kの方でしょうね。
余程の強い光の反射や、実際に発光しているなどの現象がない限り、ただの壁やエアコンの室外機が真っ白に光り輝いたりはしないのです。

 

A95KとLZ2000の決定的な違いとは?

ソニーの有機ELテレビとパナソニックの有機ELテレビ。 
有機EL同士で明るさの種類が違うというのは、どういうことでしょう。
A80K VS LZ2000の場合。純粋に、それぞれのプロセッサーエンジンと高輝度技術の特色の違いと言っていいでしょう。


しかしA95K VS LZ2000では、有機ELテレビとしての仕組みがまず異なります。
このため、画素単位の発色から既に違うということを知る必要があります。


4Kテレビが表示する画像は、およそ829万個の画素から構成されています。
画素とは、デジタル画像の最小単位であり、ピクセルとも呼ばれます。
目を凝らしてみると、テレビの画面上でも小さな小さな粒々を確認出来ますね。
この粒々を、ズームアップしてみるとこんな感じ。


複数のサブピクセルで、1つの画素を作っています。
サブピクセルはそれぞれ、光の3原色であるRGB(赤緑青)の発色を担います。
RGBは、フルカラーの素。
テレビ映像のすべての色は、この光の三原色の組み合わせから生まれます。


赤と緑を混ぜると黄色になり、青と緑を混ぜるとシアンという明るい空色なり、赤と緑を混ぜるとマゼンダという紫ががった濃いピンクになります。
3色すべてを重ねると、なんと白になります。
テレビ画面で白く見えるところって、実は赤・緑・青のすべてが明るく発光しているんですよ。


このサブピクセル。
液晶テレビだと、上の画像のようにRGBの3つで構成されているのですが、有機ELテレビでは事情が変わってきます。
有機ELテレビの発光源は、バリバリに明るいLED電球とは違い、もっと儚いもの。
電気を流してやると自発光する有機物が、1画素に1つずつ使われています。
蛍の光に例えられることが多いですね。


2023年現在、ほとんどの有機ELテレビが白く発光するホワイトOLEDを採用しています。
ホワイトOLEDもまた、光の三原色の要素を持ち、カラーフィルタを通過することで発色します。
LEDバックライトのざっくり照らす感じに比べると、画素単位でコントロール出来る有機ELのコントラストは実に繊細なのですが。
如何せん輝度が足りない。


純粋なRGBを抽出しようとすると、要らない色(光)はカットされてしまうため、更に明るさは失われます。
そこで投入されたのが、白のサブピクセル。
RGB(赤緑青)+W(白)の4色構成となりました。
白ピクセルの明るさで、輝度上げていこうぜ!というわけです。


ソニーもA80Kシリーズまでは他メーカーと同じくですが、A95Kに搭載されている有機EL素子の発光は、白色でなくブルー。青色OLEDなのです。
青い光は、量子ドット層を通過することで非常に効率よく波長変換され、RGBそれぞれの光となって出て来ます。
カラーフィルタは不要。
もう発色してますから。
ちなみにパネルはサムスン製ですよ。
白色OLEDのパネルはほぼLG製。

 

量子ドットとは?
量子ドットとは、半導体微粒子の結晶体で、光の粒子に触れることで波長を変換させる働きがあるのだそうです。
光の粒子の波長とは、つまり色のこと。
テレビに用いられる量子ドットシートには、「青の光を純度の高い緑に波長変換する量子ドット」と「青の光を純度の高い赤に波長変換する量子ドット」が入っています。
どちらの量子ドットにも触れなかった光の粒子は、青のまま放たれます。
こうして青色の光源は、量子ドットシートを通過することで、高純度の3原色の要素を持つ白い光(※液晶テレビの場合)に生まれ変わるのです。
もう無駄に光を失うこともありません。
結果、明るくて高色域!
従来よりも、現実的で鮮やかな色再現が期待出来ます。

 

ソニーのA95Kは、青色OLED+量子ドットで光のロスが少なく色も鮮やか。
色彩輝度が従来モデルの200%となっています。
従来モデルとは、前フラッグシップモデルA90Jのことですから、2022年モデルではA80Kシリーズとの比較になりますね。
このツールを認知特性プロセッサーXRに与えることによって、A95Kは今までにない、更にリアルな映像世界を実現しているのです。


とは言え、A80Kでも、他メーカーモデルと比べると色彩輝度は高いし、キレイですよね。
価格のこともあり、「A80Kでじゅうぶん」とおっしゃるお客様は多いです。
そりゃそうでしょう。
いいと思います。
ソニー的には2番手扱いされているA80Kシリーズですが、かつてのエースA90Jの後継機ですもの。
アイツ(A95K)さえいなければ、今でもエースです。

 

ashitatenkininaare.com2021年フラッグシップモデル A90Jシリーズの勇姿を今一度ご確認あれ!
※画質のみ参考にしてね!スピーカー、放熱シートなどの記載はA80Kと異なります。

 

 

超解像技術によるリアル

テレビジョンの語源は、「遠く離れている」という意味の「テレ」と、「見る」を意味する「ビジョン」
この2つの語を合わせたものだと言われています。
目の前にないはずのものが見える装置、というわけですね。
どうせ見るなら、風景でも、野球の試合でも、演劇でも、リアルな方がいいと思いません?


リアルとは。現実的、ホンモノっぽいということ。
テレビの映像がそうあるためには、ただ明るいだけではお話になりません。


高コントラストはもちろん、解像力の高さも重要になってきます。
4Kテレビの解像度は、およそ800万画素。
これは当たり前。
欲しいのは、この解像度を生かした解像力です。
テレビのカタログを見ていると、「独自の超解像技術」なんて言葉が出てきますよね。


超解像!
なんかすごそう。
これは、ただ単にデータを829万個のピクセルで表示するだけでなく。
被写体個々の解像度を限界まで細かくすることで、よりリアルな画(え)を生成するという技術です。


昔、フルハイビジョンが標準だった頃。
60インチの大画面で地デジ放送を見ると、かなり粗くてがっかりした…という経験があると思います。
解像度が今の4分の1(200万画素)でしたから。まあ、そうなりますよね。


4Kテレビが当たり前になった現在は、75インチや85インチまで拡大しても、そこそこキレイに見えます。
だって、解像度がフルハイビジョンの4倍の、800万画素になりましたから。当然?
いえいえ。それで納得しちゃダメですよ。


地デジの放送は、155万画素程度。
今も昔も4Kではありません。
4Kテレビの800万画素に対して、圧倒的にデータが足りません。
155万画素を800万画素に無理やり変換したところで、逆にぼやけてしまうくらいです。


そこで、超解像!
複数の低解像の画像から、高解像の画像を推定したり。
膨大な量のデータベースからパターンを探して、置き換えてみたり。
色々工夫を凝らして、何とか足りないデータを補填。
低解像を高解像に作り変えてしまいます。
ぼんやりしていた被写体が、はっきりくっきり、高精細に生まれ変わるのです。
コレはすごいでしょ。
この超解像技術は、4Kアップコンバートとも呼ばれ、ほとんどの4Kテレビに搭載されています。


と、前置きが長くなりました。
ここからは画像比較。
ソニーのA80K・A95Kと、パナソニックのLZ2000
どちらがより超解像してるでしょうか?


比較画像⑧

比較画像⑨

比較画像⑩

比較画像⑪

画像⑫


比較画像⑧は、分かりやすい。
バックにそびえ立つサグラダファミリア、もうぜんっぜん違いますね。
左側に見える美しい装飾の鮮明度も。
多分、も少し距離が近ければ、LZ2000でもこんなにデータが圧縮されてしまうことはなかったと思われます。
白くないエリアは明るく出来ないという欠点も、出ちゃってますね。


比較画像⑨は、猫さんの顔アップ。
これもまた、それぞれの特色が出ています。
力強い描写で曖昧な部分が少ないA95Kに対して、曖昧だけど、猫さんのフワッとした感じがよく再現されているLZ2000
好みが別れそうですが、焦点がバシッと合うのはA95Kの方ですね。


比較画像⑩は、よーく見て。
フェンスです。
A95Kでは描写されているフェンスが、LZ2000ではなかったことになっています!


比較画像⑪は、さざ波が光る海面。
A95Kは、きらめきにエッジが効いてますね。
小さな波頭のひとつひとつが、確実に輝度を上げてきてます。


比較画像⑫については、もうどちらが正しいのか分かりません。笑
雪化粧が画面全体にまで拡張されたA95Kと、エリアがはっきりと区分されているLZ2000
A95Kがちょっと大げさに描き足してしまったのか。
LZ2000が微妙なデータ量の雪を大胆にカットしてしまったのか。
謎!


このように、時に迷走しながらも、リアルを追求するべくテレビは頑張っているのです。

 

 

量子ドットによるピュアな三原色

ソニーのA95Kシリーズが、従来の有機ELから一歩抜きん出たものであるということは分かって頂けたと思います。
パネル提供元のサムスンなんて、「白色OLEDはニセモノ!」とまで言い切ってますけど。
わたしはそんなことないと思いますよ。
量子ドットがどんなにすっごい技術であろうと、ツールの1つに過ぎませんから。


ツールよりも、それを使いこなすオツムの方が大事。
そう、プロセッサーエンジンです。
例えば、同じお絵描きツールを使ってイラストを描いても、鳥山明さんと素人じゃ完成度が違うでしょ? 
そういうもんです。


逆に言いますと。
ソニーの超高性能プロセッサーエンジンに、すっごいツールである量子ドットを載っけてみたら、それはもう超すっごいことになったということです。


量子ドットの技術を導入することで、波長変換の効率がぐんとよくなり、光のロスが大幅に削減されました。
これにより、ソニーが得意とするところの色彩輝度が、従来比200%までアップしております。
量子ドット層を通過した青色OLEDの光は、カットされることなく、純度の高いRGBの光に生まれ変わります。よって、カラーフィルターなど不要!
明るい上に、より現実的な色彩になりました。


A80KもLZ2000も、白色OLEDを使っています。
一般的な光のスペクトルって、こんな感じ。


青は突き抜けて強く、抽出しやすそうですけど、緑と赤は間にイエローがガッツリ入ってますね。
このイエローが、実に曲者なのですよ。


輝度を損なわないよう、帯域の絞りを緩くすると、黄色味が出しゃばってきます。
イエローが強すぎて、純粋な赤と緑を再現出来ない。
テレビによって、何だかやたら黄ばんで見えることがあるのはこのせいです。
真っ赤なポルシェがブラッドオレンジに。
美しい褐色の肌には深刻な黄疸の症状が現れ、夏の盛りの山々は季節を先取りして葉を黄色に染め始める。
これすべて、イエローの呪いなのです。
オソロシイですね…


また前置きが長くなりました。
比較画像、見ていきましょう!
「ピュアな光の三原色」とは?


比較画像⑬


比較画像⑭

並べて比較すると分かりやすいですね。
LZ2000が…イエローに蝕まれています!
「赤い花」とは、ちょっと言い難い色になっちゃってますよ。
A95Kと比べさえしなければ、こんなにイエローが悪目立ちすることもなかったのでしょうが。残念。これが現実です。
高輝度を保つためにも、どうしてもこれ以上イエローの光をカット出来なかったんでしょう。


A95Kの方は、量子ドットによる赤の抽出がなかなか成功しています。
光のスペクトルから際どいラインで赤だけを切り取るんじゃなくて、ブルーの光の粒子をそのまんま赤に変換しちゃってますからね。
光を捨てていないから、ちゃんと赤くて、ちゃんと明るいのです。


じゃあ、LZ2000と同様に、白色OLEDで量子ドットを搭載していないA80Kは?
やはり黄色いのでしょうか。

比較画像⑮

A95Kほどの強さはないですが、頑張ってますね。
赤い花びらを、イエローの侵略からなんとかギリギリ守れていると思います。
量子ドットじゃなくても、輝度をキープしたまま赤がまあまあ赤い。
A80Kの最大の強みは、ここかもしれません。


続きまして、グリーンの比較。
どうでしょう。

比較画像⑯


比較画像⑰


わたし的には、このLZ2000のグリーンは「ザ・パナソニック」です。
安定のグリーン!
緑色に関しては、パナソニックは昔からこのストロンググリーンでベッタベタに塗りつぶしてきます。
これを明るくて鮮やかととるか、色域の狭いベタ塗りのグリーンととるか。
それはあなた次第。

 

 

音比較

こちらは短めにまとめております。
なぜなら、画質は変えられないけど、音響は後からサウンドバーを買い足すなどしてどうにでもなるから。
本気の人はそちらをご検討下さいませ。

 

ソニーとパナソニックの音比較は、こちらの記事で詳しく書いています。

ashitatenkininaare.com前機種になりますが、わたしの言いたいことはほぼ書いてあります。


とは言え、パナソニックだって進化しています。
どうしても高音質で天下取りたいらしいLZ2000
今回はラインアレイスピーカーなるものをぶち込んで来ましたよ。
前向き配置の大口径スピーカーを16個、正面にズラリと並べております。
音の干渉を抑えた、解像度の高いクリアなサウンドを実現。とのことです。


また、パナソニックと言えばイネーブルドスピーカー。天井に音を反響させるという、自慢の上向きスピーカーですね。
もちろんこちらも健在。
サイドスピーカーも合わせると、5.1.2chと豪勢です。


この立派なサラウンドシステムを以て、部屋中が音に包み込まれるような臨場感を体感出来る。となっております。
最大出力は77インチで170w  65インチで160w  55インチで150w


素晴らしい。
数字だけなら、ソニーのサウンドバー単品(HT-X8500とか)も軽く超えてきましたね。
対してA95Kは、シンプルに2.2ch
最大出力も60wと控えめです。


で、どちらも相変わらず立体音響立体音響言ってますよね。
でも立体音響って、何でしょう?
自分の過去記事からコピペしてきました。

立体感音響とは
聴覚を刺激する音から、3次元の空間がイメージ出来る音響のこと。
従来のステレオ音声に、更に音の方向性や距離感などの情報を加え、今までにない臨場感が味わえるというものです。
その代表的な音声フォーマットが、ドルビーアトモスであり、多くの映像作品に採用されています。


なるほど。
スピーカーの数(チャンネル数)は関係ないですね。
2.2chより5.1.2chの方がエラいと考えがちですが、大事なのは聴こえ方です。
平面か、立体か。
これ。言葉で説明してもなかなか伝わらないので、A95KとLZ2000を実際に聴き比べてみて下さい。
A80KとLZ2000でもいいです。


LZ2000は、上から下からサイドから。音を発しています。
音量を上げていくと、さすがの大音響。
特に低音が効きますねー。バフバフ鳴ってます。
しかし、この大音響が立体的かと問われると、素直に頷けないわたしです。
テレビが鳴らしている大きな音を、こちら側で聴いている。という表現がしっくりきます。
真っ平らというわけでもなく。
2.5次元って感じかな?


ソニーはどうでしょう。
ソニーの有機ELテレビの最大の特徴といえば、アコースティックサーフェス。
信号に合わせて振動を生成する装置(アクチュエータ)を仕込んで、フロントパネルをスピーカーにしてしまう技術です。
テレビ画面が振動しているのを、手を触れて確認出来ますよ。


画面から音がダイレクトに聞こえるわけですから、人が喋っているセリフもやけに自然。
しかも。
これが最も重要なことなのですが、このセリフ、本当に目の前の人が発しているように耳に届きます。
セリフだけではありません。
すべての音を、まるで自分が映像世界の中心にいるように体感出来ます。


画面の向こう側で鳴っている音を、こちらで聴くのではなく。自分もあちらの世界へ。
これこそ臨場感であり、立体音響と言えるでしょう。
これがどういう感覚なのかは、実際に店頭でご確認下さい。
わたしがご案内したお客様の大多数は、「パナソニック(LZ2000)と全然ちがう!」と驚かれましたよ。


ソニーの認知特性プロセッサーXRは、画質だけじゃないんです。
人の目が見るように、と同じく。人の耳が聴くように、音を再現しています。
だからリアル。
この快感を、是非ご自身の耳で!


店頭では、メーカーの用意したデモコンテンツに惑わされないよう気をつけて。
特にパナソニックの上白石萌音ちゃん「ハッピーエンド」と、ソニーのYOASOBI「群青」には要注意。
どちらもかなりのエフェクトかかってますからね。
映画でもライブでも、YouTubeやNetflixで普通に配信されているもので比較して下さい。


また、音チェックは地デジの番組でも必ず行って下さい。
ちゃんと聴こえるところまでボリュームを上げて。人の声、背景の音、その他たくさんの音情報が、ナチュラルに聴き分けられるのはどちらでしょうか?

 

 

まとめ

テレビを選ぶ基準は人それぞれです。
家中の家電がパナソニックだから、テレビもパナソニック。
スイーベルだからパナソニック。
Bluetooth送受信が出来るからパナソニック。(ソニーは送信のみ)
ビエラリンクが便利だからパナソニック。
いいと思いますよ。


でも、 純粋に画質・音質で選ぶならソニーがいいよ。と割とあからさまにこの記事では述べています。
これは、テレビがデジタル化して以来、ずっと売り場で両メーカーのテレビを見続けてきたわたしの意見。
「それってあなたの感想ですよね?」と言われようとも、結構説得力あるんじゃないでしょうか。
ソニー派の人、自信を持って今回もソニーのテレビを選んでほしいです。


決してパナソニックを否定しているわけではありませんよ。
わたしが勝手に優劣をつけて、ゴリゴリにソニーを推しているだけです。
ソニーの有機ELテレビにももちろん弱点はある。
ブルーのOLEDは寿命が短いなんて言われてますし。(どの程度短いのかは不明)
これがホントなら、文字通り致命的な欠陥になりますよね。


わたしがこの記事で伝えたいことは、画質・音質についてのみ。
それは前モデルの比較記事でも一貫しております。
ですから、また違う角度からソニーとパナソニックのテレビを比較したい人は、別のコンテンツをお探し下さいませ。


では。
カタログなんて閉じちゃって。
テレビ売り場へGO!!

 

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